――食料支援の最大の目的は何ですか?
食料支援はコロナと闘う人々の底力となります。飢餓は食料の争奪を起こし、新たな紛争をもたらします。食料がなければ、不安や抗議行動、移民や難民の増加、紛争の深刻化、そしてそれまで飢餓から免れていた人々の間にも栄養不足が蔓延する可能性があります。明日の食事に困る人をひとりでも減らすために、WFPは支援が必要な人のもとへ食料を届けなければならないと考えています。
――ノーベル平和賞受賞後、WFPは世界各地で命がけの努力をしてきたことが認められたとし、さらに「飢えがある間、私たちは決して平和な世界を達成することはありません」と声明を出した。
日本で、自分たちがどれだけ食料を捨てていて、その廃棄される食料は世界で支援している食料の1.5倍ほどにもなることを知ってほしいです。また食品ロスを減らすためにどんなことができるか考えてみてください。
■子どもの未来のために学校給食支援
世界には、一日に一度の食事すらできずに、おなかをすかせたまま学校に通う子どもたちがたくさんいます。また、学校に通えない子どもたちは5900万人もいます。
WFPは食べ物が足りない地域の学校で給食を出す活動にも力を入れています。学校で食事がとれるとわかれば、親たちは子どもを家で働かせないで、学校に行かせてくれます。そして学校で熱心に勉強した子どもたちが、その国の未来をつくる人になってくれるのです。
※月刊ジュニアエラ 2020年12月号より
ジュニアエラ 2020年 12 月号 [雑誌]
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