●記憶力アップのコツ3 スポーツで身につく判断力、反射力
空間の中を動きまわるスポーツは、空間認識能力を磨くのに最適です。運動は、得意不得意が生まれながらにあると、ともすれば思われがちですが、自分と相手、物との位置関係、距離、動きの変化などをイメージしながら判断し、動く、対応するといった能力自体は、後天的に鍛えることができますし、繰り返すことで強化もできます。
●記憶力アップのコツ4 楽器演奏は左脳と右脳をつなぐ
楽器の演奏も空間認識能力を高めます。楽器を演奏すると、右脳と左脳をつなぐ領域が活発になり、それぞれの役割をスムーズにこなすことができるようになるのです。カギとなるのが、リズム。リズムにのることで海馬周辺の領域が活性化することもわかっているので、演奏によって多くの情報を一瞬にして解析、処理する力が鍛えられます。
●記憶力アップのコツ5 会話で経験や考えをブラッシュアップ
頭の中に浮かんでいるイメージを言葉にする力をふだんから磨ける絶好の機会が、日常会話です。とくに脳の発達段階にある小学生にとって、声に出して話し、相手とやりとりすることは、自分の頭の中にある記憶(経験、知識、考えていること)を引き出し、整理し、再構築することにつながります。家庭でも、積極的に会話の機会を作りましょう。
●記憶力アップのコツ6 集中力も鍛えよう
集中力が高まれば記憶力もアップしますが、集中しようと思えば思うほど緊張してしまうのも事実。気持ちを安定させるためには、体から働きかけるのも手です。
(1)腹式呼吸
吐くときにおなかがへこみ、吸うときにおなかがふくらむ腹式呼吸には、リラックスを促す副交感神経を高め、緊張をとく力があります。「吐く」から始めるとコツをつかみやすいでしょう。
(2)物を握る
不安にかられたとき、人は「何かを握る」ことで安心し、落ち着くことができるそう。勉強中に何か握れるものをそばに置くと、スムーズに集中へのシフトできます。姿勢を正す効果もあり。
(3)筋肉をゆるめる
意識的に筋肉をゆるめ、気持ちをほぐすことで集中を促します。方法は、10秒間ゆっくりと力を入れて筋肉を緊張させたあと、10秒間フーッと力を抜き、筋肉をゆるめるだけ。ぜひお試しを。
(取材・文 篠原麻子)
※AERA with Kids 2021年春号より一部抜粋