安浪:愛情が大きくなると、字も大きくなる。

佐藤:今回プロのきょうこ先生に私がやってきた内容をぶつけてみたら、すごく共感していただいたので、プロのお墨つきをいただいた! やったー!という気持ちになりましたね。たった4人だけど、みんな性格が違うので目の前の子どもを詳細に観察してやり方を考えていったらプロの先生の手法の真理に近づけるんだ、と。

安浪:佐藤さんのいろいろなサポートを見て思ったのは、「これだけ優秀なお子さんたちでもこれだけやっているのか」ということ。やはり受験ですから、学力を上げていく、というのが目標になりますが、手はあまりかけたくないけれど点数は上げたい、と思っている親御さんたちも多いですから……。

佐藤:結局小学生は10年ちょっとしか生きていないわけだから、何も知らない、と思ったほうがいいです。長く生きている親が「こうやったほうがラクだし、楽しいし、ちゃんと覚えられるよ」と教えてあげたり、サポートしてあげることは絶対に必要です。

安浪:とはいえ、子どもそれぞれが持っている能力は違いますから佐藤さんのお子さんたちと同じようにやったからといってどんな子でも灘に入れるわけではない。子どもが持っている能力の中で最大限やる、ということが大事ではないでしょうか。

■親が押し付けないで

佐藤:ある講演会に行ったとき、小学生と幼稚園のお子さんを持つお母様から「うちの子どもも全員東大理IIIに入れたいんです」と言われたりしてびっくりしたことがあります。それを娘に言ったら「ママがあちこちで講演会をしている弊害じゃない?」って言われましたけど(笑)。でも、うちはたまたま灘と東大に行きましたけれど、最初からそこを目指したわけではないんです。親がどこどこの学校、ってあまり押し付けないで、手の届く範囲の学校に行かせてそこでまた鍛えていったらいいと思うんです。そこをはき違えると不幸になります。

安浪:私も家庭教師ですから、時には無理難題もくるわけです。塾でいちばん下のクラスなのに灘や開成に行きたいとか。でも「無理」とは言わず、「どうしても行きたいなら今の8倍やったら届くよ」と話すと「それは無理です」ってなる。

佐藤:そうなんですよね。親がいくら行かせたいからといってそれがすぐに現実になるほど受験って甘くないです。

(構成/AERA with Kids前編集長・江口祐子)

AERA 2021年4月26日号より抜粋

親がやるべき受験サポート

佐藤亮子 安浪京子

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江口祐子
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