相談者さんの挨拶が「完全スルー」されてもいいではないですか。相手からの挨拶が欲しくて挨拶をしているのではありませんよね。挨拶することは、礼儀の基本。礼儀を尽くせば自分の心にわだかまりがなく、心地よいから挨拶をするのですよね。だとすれば、相手から挨拶がなくても、怒る必要もありませんね。

 妻に「今時は」と言われていたとしても、相談者さんの行いはとても素晴らしいものです。どんな日も、元気に明るく、「おはよう」から「おやすみなさい」まで、きちんとした挨拶を家庭でも外でも続けましょう。4歳の娘さんはそんな父親の姿を見て育つのですから。

【まとめ】

怒りを社会全体に向ける前に、今の環境を見直して。相手に「完全スルー」されても挨拶を実践し続けよう

山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ  0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。

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山口謠司
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山口謠司(やまぐち・ようじ)/文献学者・中国学者。平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。中国山東大学客員教授。1963年、長崎県生まれ。大東文化大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞。『ステップアップ0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など著書多数。フランス人の妻と息子の3人家族

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