■湾岸エリアの学校に注目

 共学校の注目は、広尾学園小石川(東京都文京区)の躍進だ。今年改組したばかりだが志願者を大幅に伸ばし「安全校として併願するのは危険」という存在になっている。今年共学化し校名を変えた光英VERITAS(千葉県松戸市)や、昨年から共学化・校名変更した品川翔英(東京都品川区)も志望者を集めた。

共学校男子志望者数ランキング。首都圏模試・小6合判模試第4回(2021年10月実施)から。
共学校男子志望者数ランキング。首都圏模試・小6合判模試第4回(2021年10月実施)から。

「国際系を標ぼうする学校は、安定しています。志願者が目立って増えているわけではありませんが、高止まりしているのが三田国際学園(東京都世田谷区)、開智日本橋学園(東京都中央区)、東洋大京北(東京都文京区)。いずれも共学化してから今年初めて卒業生が輩出して実績を上げており、さらに人気が出そうです」(北さん)

共学校女子志望者数ランキング。首都圏模試・小6合判模試第4回(2021年10月実施)から。
共学校女子志望者数ランキング。首都圏模試・小6合判模試第4回(2021年10月実施)から。

 もうひとつの注目が、開発が目覚ましい湾岸エリアの学校だ。今年共学化した芝浦工業大学附属(東京都江東区)、かえつ有明(同)、青稜(東京都品川区)、安田学園(東京都墨田区)など臨海部周辺の学校が志望者を集めている。

「臨海部は人口が増えており、所得が高く教育熱心な層が多い。これからも伸びていきそうです」(安田さん)

 来年度も志願者が増え、今年度以上に競争が激化しそうな中学入試。しっかりと志望校の動向をキャッチして対策を講じたい。

(柿崎明子)

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柿崎明子
ライター 柿崎明子

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