幼い子どもが困難を前に感情的になってしまうのは、ある意味で仕方がないこと。それを上手にマネジメントできるようになるためには、親の助けが必要です。

 何か問題があったとき、親は焦ってアドバイスをしようとせず、共感してあげてと渡辺先生。

「例えば、宿題がわからなくて怒っていたら、『大変なんだね。少し休憩してからにしようか』と親が受け止めるだけで、子どもは落ち着き、心の整理がつくものです」

 避けたいのは、親が動揺し、イライラしたまま向き合うこと。

「親自身が心の揺らぎを感じたら、時間をおいて話すほうがいい。声のトーンや表情で子どもは親の本心を見抜きます」

 お互い落ち着いてから、「お母さんならこう考えるかな」と共感的に提案するのがオススメです。

「感情が安定していれば、冷静に解決策を見いだせます。また、周囲とやりとりしながら物事を進めやすくなります。『知力』だけに頼らず、社会で生きていく上で大切な非認知能力を身につけていくことができるはずです」

 まずは家庭で感情マネジメントを練習してみましょう。

(ライター・玉居子泰子)

※「AERA with Kids2021年冬号」より抜粋。本誌では感情マネジメントが上手になる声かけやトレーニングについてさらに詳しく解説しています。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2021年 冬号 [雑誌]

朝日新聞出版

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玉居子泰子
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