子どもとの向き合い方、やり方さえ気をつければ、ルールづくりやお手伝いにはメリットがたくさんあります。

「子どもの自己肯定感を高めようとしてありのままを認めることは、何でも子どもの思いどおりにさせることではありません。やるべきこと、やってはいけないことのルールの中で、自由に行動するのが大事です。ルールを守ることで、子どもには『自分はルールを守ることができた』という達成感や自信が生まれていきます」

 お手伝いにも、勉強だけでは身につかない非認知能力を育むヒントがあります。

「お手伝いをすることは、家の中に自分の役割があるということ。自己有用感が高まります。また、時にはやりたくない気持ちを乗り越える自制心や、毎日積み重ねることで、やり抜く力も育まれます」

●ボーク重子さんが重視する3つの非認知能力

【自己肯定感】

ここで言う自己肯定感とは、自分を自分のままでいいと思う「自尊感情」だけでなく、自分を信じて挑戦しようと思える「自己効力感」や人の役に立っていると思える「自己有用感」なども含みます。「『すべてはここに始まり、ここで終わる』というほど大切です」(ボークさん)

【決める力】

与えられたものをこなすだけではAIに代替されてしまうこれからの社会において、自分で道を選択し、切り開いていくために「決める力」は必須。「『自分が決めた』という自己決定感から、行動するときに責任感が生まれやすくなり、やり抜こうとするようになります」

【考える力】

「なぜ?」「本当にそうなのか?」と疑い、批判的に物事を見て解決していくことは大事です。日本の認知教育は世界的に見ても素晴らしく、PISA(国際的な学習到達度調査)では常に上位。「問いを立てるためには一定の知識が必要で、その土台はあるはずなので、家庭での向き合い方に気をつけて」

(ライター・高橋亜矢子)

※「AERA with Kids2021年冬号」より抜粋。本誌では「非認知能力を伸ばすコツ」についてさらに詳しく解説しています。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2021年 冬号 [雑誌]

朝日新聞出版

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高橋亜矢子
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