■目的ありきの探究は、探究ではない
矢萩:そもそもの話をすれば 探究学習っていうのは目的ありきの活動ではないのです。その活動をしていたら、結果論としてこういうことが身につきましたっていう感じです。身につくことは人それぞれです。しかし、これを身につけるために探究学習をやりますって言うと、それはもう探究じゃないんですよ。
安浪:なるほど!その説明はものすごくわかりやすい!
矢萩:一つのことを探究していく過程で、それぞれが何らかの知識やスキルを身につけていき、結果的に成長していく、というイメージでしょうか。
安浪:そう考えると探究していく過程で本当に必要なのは、単なる知識ではなくて、その子なりの興味なのかもしれないですね。その興味をどう引き出していくかが、先生側に問われるということですね。
矢萩:そうです。ついつい正解や効果を求めがちな大人からすると、なかなかしっくりこないかもしれませんが。
安浪:でも今回は割とはっきりとした答えが出てきましたね。「探究的学びと偏差値は関係ない」ということですよね。でも、それをうまく回せる先生がいるかどうか、というのはわかりづらいところではありますが、「うちの学校は〇〇のために探究に力を入れている」という説明をしていたら、その学校の探究は探究ではない、と判断がつきますね。
(構成/教育エディター・江口祐子)
【質問募集中】お二人に相談したい中学受験のお悩み、こちらからお寄せください↓
https://dot.asahi.com/info/2021120800052.html
著者 開く閉じる