叡啓大はそういう意味で冒険といっていい。「県立」とつけなくても秋田の国際教養大は全国区となった。全員留学必須というグローバル性を強くアピールしたことによる。叡啓大はそれ以上に強烈な個性を打ち出せるか。大学名称で勝負に出たということは、よほど自信があるのだろう。楽しみだ。

 2006年から21年までの16年間に、63校が大学名を変えている。『大学ランキング2022』(朝日新聞出版)では大学の名称変更の一覧表を掲載している。

名称を変えた大学<その1>
名称を変えた大学<その1>

 名称変更の理由は次のように分類できる。代表的なケースをあげて紹介しよう(2006年以前の名称変更を含む)。

(1)経営者が代わり、新しい大学に変わった。
 京都学園大→京都先端科学大(2019年)。日本電産会長の永守重信氏が大学経営者(理事長)になったのは有名だ。

(2)系列校と統合して総合大になった。
武蔵工業大→東京都市大(2009年)。同じ学校法人の系列校、東横学園女子短期大学と統合し、都市生活学部と人間科学部を設置した。

(3)学部増設で学部の構成が変わり、現行の大学名が適さなくなった。
 大阪医科大→大阪医科薬科大(2021年)。統合により薬学部が加わり単科大学ではなくなった。

(4)校名変更で大学のイメージを変えようとした。
苫小牧駒澤大→北洋大(2021年)。駒澤大という曹洞宗の仏教系大学の系列だったが、宗教系ではなくなった。

(5)私立大から公立大へ設置者が変わった。
千歳科学技術大→公立千歳科学技術大(2019年)など。

(6)「市立」「県立」とつけて、公立大であることを強調する。
尾道大→尾道市立大(2012年)など。

(7)女子大の共学化。少子化を見据えて共学化に踏み切った。
東北女子大→柴田学園大(2021年)など。

(8)都市名を冠して大学所在地をアピールした。世界的に観光地として知名度が高い京都、神戸に見られる。
松蔭女子学院大→神戸松蔭女子学院大(1995年)、ノートルダム女子大→京都ノートルダム女子大(1999年)。

名称を変えた大学<その2>
名称を変えた大学<その2>
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