こうなると、学童の中でDVD鑑賞したりボートゲームなどで子どもが過ごしたりすることになりますが、体を思いきり使って遊べない日々が続くと、イライラした子どもたち同士によるトラブルが増えがちです。遊びの幅、種類が増えないと、長期間に及ぶ学童での夏の遊び時間が充実しません。これは学童側にとって非常に頭の痛い問題です。
いくらエアコンが昔より整備されているとはいっても、猛暑の日中に数十人の子どもが学童内で過ごせば、室温は容易に28度を超えてしまいます。室内であっても熱中症のリスクが高まるのです。実際、最初は涼しく感じても学童内にいると汗がじんわり出てきます。「学童内であれば冷房が効いているから熱中症は大丈夫なはず」ではありません。
生活リズムの乱れにも注意
夏場の学童における熱中症対策には家庭の協力が不可欠です。家庭では次の2点に特に注意してください。1つは、学童に登所する際の短い時間でも体温上昇を防ぐことです。短時間でも油断は大敵。炎天下、直射日光での徒歩での登所は避けましょう。車での登所も、短時間だからといって車内の温度が高いままでは、子どもの体温上昇を招きます。登所時の体温上昇がきっかけとなって軽度の熱中症になることも十分考えられます。
もう1つは睡眠不足など生活リズムの乱れによる体調の変化を起こさないことです。体力が落ちてしまうと熱中症だけではなくそのほかの感染症リスクも増大します。夏休みはどうしても夜更かしをしてしまいがちですが、睡眠と食事はしっかり確保して体力を落とさぬように、子どもの体調管理をしっかりとしましょう。
学童の状況を職員から聞いてみて、仮に「昼間はとても暑くて困っている」という状況であれば、小学校の図書室や体育館など冷房が効いている場所の借用を保護者から小学校に要望することも効果があるでしょう。児童クラブが何度も小学校に相談しても門前払いだったことが、保護者同士で小学校に申し入れると学校が急に態度を変えるということは、珍しくありません。
夏の学童は換気がままならず他の感染症の拡大もありうる時期です。ここ数年、夏場は新型コロナウイルスなども流行しています。子ども同士の接触も多い時期です。子どもの体調の異変に保護者は十分に気を付けて、元気に夏の学童生活を過ごしていきましょう。