早朝、「すぐ目の前だから」と油断して稽古のときのようにパンツ1丁でゴミ捨て場に行ったら、登校中の小学生に見つかり、焦ったこともあります(笑)。
今住んでいる家に引っ越したのは15年前なのですが、ゴミ捨て場で見かけるのは奥さんばかりでした。それが1カ月くらいしたら、全部旦那さんに変わりました。みんなどことなく不機嫌そうでね。きっと「蝶野さんだってゴミ出ししてるんだから、あなたもやってよ!」と言われて、渋々引き受けたんでしょう。

――「あの蝶野さんがゴミ捨てをしている」と言われたら、納得するしかありませんよね(笑)。
俺のゴミ捨てが、男性が家事をするきっかけになれたなら、うれしいです。レスラーも家に帰れば、夫であり父親ですから、イメージだ何だ言っていられません。20歳でプロレス界に入ったとき、上にはアントニオ猪木さんや坂口征二さんといったすごい先輩方がいました。プロレス界は縦社会ですから、俺たちからすれば声もかけられないような存在の人ですよ。でもあるとき、スーパーで坂口さんが奥さんから「パパ!」と呼ばれて振り返る姿を見かけて、「あの坂口さんも、家ではパパなんだ」と、何だか不思議な気持ちになったのを覚えています。
夫の家事力は褒めて伸ばす
――休日に多少家事をやることはあっても、毎日続けるのはなかなか難しいものです。共家事を継続するコツはありますか?
お互い感謝すること、褒め合うことだと思います。旦那さんが家事をやったら、奥さんはひとまず褒めてみてください。男性にすればしっかりやったつもりでも、いつも家事をしている奥さんから見れば「全然ダメ」ということもあるでしょう。でも、最近はスポーツの指導だって褒めて伸ばす時代。旦那さんにとっては、奥さんからの褒め言葉が、一番効くんです。
旦那さんも家事をやって奥さんの大変さがわかったら、そこで一言、感謝の言葉や褒め言葉を伝えてみましょう。「何なの急に?」と言われるかもしれませんが、褒められてイヤな気持ちがする人はいないはずです。俺も妻には毎日「マルティーナは、かわいいね」と言っています。そうやって夫婦の関係が良くなれば、お互い自然に助け合おうと思えるようになるんじゃないでしょうか。
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