遠足のお弁当に大変革が起きた!

 どれだけ手際よく用意しても、お弁当作りに1時間はかかります。つまり、普段より1時間は早く起きないとなりません。雨で遠足が延期になったら、また買い出しに行って、作らなければなりません……。「お弁当、美味しかったー!」という子どもの感想はうれしいものの、「また、お弁当を作らないといけないのか…」という妻の落胆ぶりを見て、お弁当づくりの大変さが分かりました。

遠足の日の朝はお弁当作りで大忙し(写真:松下先生提供)
朝の忙しい時間に手際よくお弁当を作るのは大変!(写真:松下先生提供)

 そんなお遠足のお弁当に、大変革が起きました! 保育園に通う娘の遠足でのお弁当が、“外注”になったのです‼ 保育園が事前にお弁当の購入手続きをしてくれて、遠足先にお弁当を運んでもらえるようになりました。

 スーパーにお弁当のおかずを買いに行って、朝早く起きて作る必要がなくなったのです‼ 本当にありがたいことです。

 このお弁当の外注は親目線でありがたいだけでなく、子ども目線でもありがたいです。お弁当を持ち運ぶことがなくなった分、リュックサックが軽くなるからです。大人にとったらお弁当ぐらいと思われるかもしれませんが、体の小さい子どもにとっては大きなことです。荷物が減った分、子どもの疲労も減るのです。

デザートにも変化が現る…⁉

 昔は、遠足のしおりを配ったときに、子どもたちから「バナナはおやつですか?」とお決まりのように質問が出ていました。私が、「バナナは、おやつで……はありません♪」と言うと、「やったー! 先生、ありがとうございます‼」と、歓声があがっていたものです。そして、バナナ丸ごと1本を持ってくる子どもがいました。

 でも、今はデザートにバナナ1本を持ってくる子どもは見かけなくなりました。いちごやマスカット、キウイ、リンゴなどを見かけることが多くなりました。凍らせたフルーツゼリーを持って来る子もいます。デザートとおやつとの境目も曖昧になってきています。

 ただ、教員生活23年間で、変わらないことがあります。

 それは、私の持ち物です。遠足当日、お箸を2~3膳多めに持って行くことと、お茶と水のペットボトルを2~3本持って行くことです。

 お箸を持って来るのを忘れた子ども、水筒のお茶を飲み切ってしまって落ち込んだ子どもにあげるためです。

 それと、子どもたち全員がお弁当を食べ始めてから、私もお弁当食べるようにしていることです。私のお弁当は、遠足当日に買ったコンビニ弁当です。

 お弁当を持って来るのを忘れた子どもに、私のお弁当をあげるためです。もちろん、保護者に電話連絡して、了承をもらってから渡していますよ。

(文/松下隼司)

小学校の遠足の“おやつ代”、いくらだった? 現役教師が驚いた「上限なし」にしている学校の納得の理由とは
著者 開く閉じる
松下隼司
松下隼司

1978年生まれ。奈良教育大学卒業。大阪の公立小学校に勤める現役教師。2児の父親。文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞。令和6年版教科書編集委員を務める。著書に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)、『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、教育書『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、『教師のしくじり大全 これまでの失敗とその改善策』(フォーラムA企画)などがある。教師向けの情報サイト「みんなの教育技術」で連載を持つほか、Voicy「しくじり先生の『今日の失敗』」でパーソナリティーを務める。

1 2 3