親が子どもの習い事に「成果を出さねば」と気合を入れすぎてしまうと、子どもがプレッシャーを感じて楽しめなくなるのではないか――。4人の子ども全員を東大理三に合格させた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんはこう語ります。佐藤さんと中学受験専門カウンセラー・安浪京子さんの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』から、佐藤さんの習い事や受験の考え方についてお届けします。

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まずは「とりあえずやってみる」

 わが家は浜学園に入るまえに、いろいろな習い事をしています。バイオリン、水泳、公文などです。習い事や幼児教室、塾など今はいろいろな選択肢がありますから、いつ、何を始めればいいか親御さんたちが迷う気持ちはよくわかります。講演会でも「何がいいですか」というのはよく聞かれます。

 でも、習い事にしろ、塾にしろ、「これをやれば完璧な子が育つ」「ここに通わせておけば大丈夫」という正解はないのです。

 だったら、子どもが興味を持ちそうなら「とりあえずやってみる」ぐらいの気持ちで一歩を踏み出してもいいんじゃないかと思います。

 もちろん、習い事も塾もお金がかかりますから、そんなに気楽に決められない、ということはあるでしょう。わが家の場合、4人子どもがいたので、一人一人の希望を聞く余裕はなく、全員同じ習い事をし(長女だけはピアノもやりましたが)、全員浜学園に通いましたが、もし子どもが暗い顔をしたり、嫌がるようならやめてもいいと思っていました。

 それに、親が「せっかく始めたんだから成果を出さねば」と気合を入れすぎてしまうと、子どもがプレッシャーを感じて楽しめなくなるのではないかと思います。

成果が出るまでに、親ができること・できないこと

 新しいことを始める時は、軌道に乗るまでには時間がかかります。だから子どもが嫌と言ったらすぐやめる、というのはいい方法だとは思いません。何事もいっぺんにできるようにはなりませんから、少しずつやり、親が待つ姿勢も大事。

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佐藤亮子
佐藤亮子

さとう・りょうこ/4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた実績を持つ教育・子育てアドバイザー。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)、安浪京子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)など。

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