それで思い出すのは、三男が3歳でスイミングスクールに通い始めた頃のことです。わが家の子どもたちは4人ともスイミングスクールに通いましたが、三男だけは水が苦手だったようで、プールに入るまでに時間がかかりました。
いつもプールサイドで一人泣いているのです。上の観覧席からその様子を見ていて、私も最初は可哀想で胸が締め付けられる思いでした。ほとんど濡れずに戻ってくる三男を見て、「水が怖いの?」「次は入れそうかな?」と聞きたくなる気持ちをグッとこらえ、「お疲れさま!」と笑顔で迎えていました。
「どうして?」と聞いたところで自分でもなぜできないのかわからないだろうし、まして親が𠮟ってしまったらプールそのものが「嫌な場所」になってしまうと思ったからです。いつかは自分で入れるようになるまで待ってみよう、と腹を括りました。その上でどうしても入れなかったら「それでもいっか」と思ったんですね。
毎週、他のお母さんと一緒に「今日も泣いているね」と言いながら見守り続け、結果、プールにポチャンと入れるようになったのは、4か月経った時。それからはぐんぐん上達していきました。
塾も通い始めてから生活の一部になるまでには数か月かかるでしょう。
ただし、三男のプールが塾とわけが違うところは、三男は当時まだ3歳だったので「そんなに急いで泳げるようにならなくてもいいか」という余裕が私の中にあったこと。もう一つはプールは親がサポートはできない、ということです。
塾は親が待っているだけでは子どもが自然に勉強するようにはなりません。
どんどんカリキュラムは進んでいきますし、何しろ授業の内容がわからなかったら子どもは楽しく通えないでしょう。楽しく通えないと「もう嫌だ」と投げ出したくなります。
だからといって、「なぜできないの!」と𠮟ったところで子どもはできるようになりません(これはプールと一緒ですね)。
わが家の“塾通いリレー”
わが家の場合、幸いだったのが、長男は浜学園の勉強をすごく面白い、と言っていたことです。公文に通っていて、勉強をやる習慣もついていたので、比較的すんなり塾の生活に慣れることができました。
次のページへ塾に通わせるのもとても慎重だった