東京で唯一増えたのが都立南多摩(八王子市)で、596人から599人に微増。
「おそらく、小学校が併設され、難化した立川国際を避けて南多摩に応募した受験生がいたと思われます。立川国際は529人から431人と大きく減らしました」


〈神奈川〉横浜市立南が26年度から高校募集を停止
神奈川5校の総志願者数は3196人から3113人で前年比97. 4%とほぼ横ばい。東京ほど減少幅が大きくなかった。 横浜市立南(横浜市)が690人から788人、市立川崎(川崎市)が493人から508人と増やし、他3校の減少分をカバーした。
「特に横浜市立南は26年度から高校募集を停止し完全中高一貫になるので、駆け込み受験生が多かった印象です」
増加した横浜市立南、市立川崎はともに市が設置した市立校だ。地理的な要因もあるという。
「通学エリアが広いと児童数の減少の影響を受けやすいのですが、市立は通学地域が限られているので影響を受けにくいのです。しかも横浜、川崎は都市部なので、それほど人口減の影響も受けずにすみました」

〈千葉〉志願者減少も依然高い倍率
千葉3校の志願者数も2059人から1921人と前年比93. 3%で、首都圏全体よりも減少幅が少なかった。
「首都圏の中では、千葉の小6生児童数の減少幅がいちばん大きかったのですが、志願者数の減少幅が小さいということは、人気が継続しているということです」
トップ校の県立千葉が550人から497人に、東葛飾が762人から684人に減少した。ただし両校とも倍率は高く、県立千葉が6.2倍、東葛飾が8.6倍と、受検生にとって依然厳しい状況が続いている。市立稲毛国際(千葉市)は747人から740人と、ほぼ横ばいで推移した。

首都圏の中で、一番減少率が大きかったのが埼玉だ。4校の総志願者数が2154人から1851人に減り、前年比85.9%に沈んだ。
「原因は日程です。公立中高一貫校は1次試験が1月の第2土日のどちらかでおこなわれますが、25年度はそれが1月11、12日にあたり、私学の日程とかぶってしまったのです」
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