先生方が一斉に担当学年の子どもたちの前に移動します。
子どもたちの歓声や悲鳴が大きく起こるのは、名前を呼ばれた先生が移動している時間です。それを繰り返せば、どんどん歓声や悲鳴の声が大きくなっていきます。すると、静かにするように指導が入ります。
先生方が一斉に移動することで、移動時間も指導時間も大きく削減されました。1学年2学級、全学年で12学級の学校でしたら、担任発表にかかっていた時間が1/12ぐらいに短くなりました。
そのことで、教室での時間は増え、余裕をもって子どもたちと過ごせるようになりました。また、悲鳴によって傷つく先生や、必要以上に子どもたちの不安を煽ることもなくなりました。
先生一人ひとりの名前を子どもたちに言いたいという場合は、ポイントがあります。それは、“次々と名前を呼んでいく”ことです。間をとって呼名すると、その間に必要以上のリアクション(悪ふざけ)が入ってしまう危険があります。
それと、担任発表で言わないほうがいい言葉があります。
「それでは、みなさんがお待ちかね・お楽しみの担任発表です」です。
この言葉は、子どもたちにとって、「わいわい楽しんでいいよ」というメッセージに受け取ります。「それでは、みなさんがお待ちかね・お楽しみの担任発表です」の言葉は、「押すなよ! 押すなよ! 絶対に押すなよ!」=「押せよ!」の合図と似ています。
担任発表は子どもたちにとって重大ですが、イベント的にならないようにあっさりと勧めた方が、後の時間がすっきり・ゆったりするのです。
(文/松下隼司)
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