閉所時刻を過ぎての迎えが頻発すると、学童側から何らかのペナルティを課されることもありえます。多くの学童事業者は「保護者の迎えが間に合わないことが続くと退所とする」ルールを設けていますから、ヒヤヒヤものです。

 あまり注目されませんが「延長料金」の問題もあります。基本料金を午後6時で設定している場合、それ以降の迎えの場合は別料金になっている学童事業者は珍しくありません。お迎えが午後7時ギリギリになる場合が多いと、追加の出費が数千円台になることがあるのです。

 悩ましいのは、「学童に子どもを迎えに行く保護者の多くが女性」という現実です。夫婦のうち、早めの退勤を余儀なくされるのは現実的に女性がほとんどです。ワーキングマザーにとって、企業内での立場や評価、昇進に影響します。女性のキャリアアップにも影響するのが、このお迎えの壁です。

来年度から「閉所時刻が7時」になる学童が増える?

 困った壁ですが、徐々に解消する見込みが出てきました。国(こども家庭庁)は2025年度から、午後6時30分以降に閉まる学童を対象に補助金を出すことにしました。

 今までは午後6時以降に閉所していた施設が対象でしたが、遅い時間に閉所する事業者を支援するために補助金の交付要件を見直しました。年間で1施設ごとに約70万円ですから無視できない金額です。この補助金を確実に得るために、午後7時まで閉所時刻を繰り下げる学童が増えてくることが予想されます。

 それまでは、習い事やファミリーサポートを利用する、知り合いにお迎えを頼むなど、あの手この手で乗り切ることになります。

お迎えの壁以上に解消しつつある「お弁当の壁」

 もう1つ、学童ビギナーを悩ますのが「お弁当の壁」です。保育所と違って給食がない学童が多いので、戦々恐々としている保護者は多いでしょう。こちらは、お迎えの壁以上に、急速に状況が改善されつつあります。
 先ほどの国の調査では、昼食の提供をしている施設は11,026か所、全体の43.0%です。およそ学童の2つに1つは昼食提供をするようになっています。国は、学童での昼食の提供を勧めていて好事例を全国の自治体に紹介しています。利用先の学童が弁当持参であっても、数年内には都市部を中心に学童での昼食提供が一般的になるでしょう。

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