「(学校の)クラスでボッチで隅っこにいる人間でしたが、今日はクラスメートに髪型を可愛くしてもらい、憧れていたことが実現できました」(12歳女性)
中川さんは、「みんな幸せになるために生まれてきたし、新しく青春もできるし、夢を見つけることもできる。自分の人生を大切に、自分にご褒美をあげていっぱい幸せになってくださいね。今日まで戦い抜いて、生き抜いてきた自分にどうか自信を持ってください。自分だけの美しい空の色を誇らしく生きることをどうか楽しんでください。空色スクール卒業、おめでとう! 生きていてくれてありがとう。かわいい生徒たち、これから先もずっと死ぬんじゃねーぞ!」と伝え、門出を祝いました。
夢への一歩を踏み出したい
参加した生徒の一人、イルカさん(21歳、女性)に話を聞きました。
イルカさんは、中学生のころ友人とのトラブルで不登校になり、修学旅行にも行けず卒業しました。受験して入った高校ではいじめに遭い、精神に不調をきたして1年生で中退。その後、フリースクールへ通いましたが、ちょうどコロナ禍と重なってしまい、仲間と何かを築きあげる、といった充実した理想の学生生活を送ることができなかったといいます。卒業後は「人を助けたり支えたりする仕事に就きたい」と思ってチャレンジしたものの、無理をすると身体が悲鳴をあげ、気持ちに身体がついていかないことに落ち込む日々もあったそう。「もう一度、仲間たちと一緒になにかを成し遂げ、再び人を助ける仕事への一歩を踏み出したい」――。そんな思いから、イベントの参加を決めました。
イルカさんは、「『空色スクール』では、中川校長をはじめ、いろんな人が私のこの状況を『うん、うん』と寄り添って聞いてくれ、応援してくださり、とても温かい気持ちになりました。最後の授業を受け、今日卒業証書を受け取り、やっぱり私は児童支援や不登校の子を支えるお仕事がしたいと思えました」と話しました。
