金利上昇リスクを 実感する方法

 それでもまだ変動金利を選ぶ人が多いのは、変動金利のほうが当面の家計負担が小さいという点をメリットと考える人が多いためです。もちろん、今のところは変動金利のほうが毎月の返済額は抑えられます。しかし、変動金利で住宅ローンを借りている人は、金利が上昇するリスクが常にあるということを認識しておきましょう。

 超低金利の時代が長かったため、変動金利で0.3~0.4%といった金利が当たり前だと思われていますが、これが1%、2%になったときにどれくらい毎月の返済額が増えるのかシミュレーションしている人はほとんどいないでしょう。金利が上昇してきている今の状況を踏まえて、一度シミュレーションしてみるのがおすすめです。銀行や住宅金融支援機構などのサイトのシミュレーターに、住宅ローンの条件や金利を入れると計算できます。やってみると、金利上昇リスクがどのくらいあるのか、実感できると思います。

ローンを借りた後も 収入の10%の貯蓄を

 住宅は大きな買い物なので、同じものならできるだけ安く買いたいもの。購入するタイミングを選べる場合は、値引き交渉がしやすい売り手の会社の決算前や引っ越し需要が増える年度末など、お得に買える時期を選びましょう。

 また、国や自治体が実施している住宅購入時の補助金や助成金などで、利用できそうなものを調べてみましょう。「子育てグリーン住宅支援事業」など、子育て世帯の住宅取得を支援する制度なども要チェック。

 住宅ローンを借りたあとに大事なことは、手取り収入の10%以上の貯蓄を確保していくこと。住宅購入時に頭金や諸費用に使い、貯蓄額はかなり減っているため、将来に備えて再び貯蓄をしていく余力は残しておかないといけません。この貯蓄ができるくらいの返済額にしておくことが大切です。

(取材・文/生島典子)

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