子どもの習い事や塾……いろいろさせてあげたいけれど、気になるのは「お金」。物価も上昇するなか、家計のやりくりはどうしたらいいでしょう。子どもの教育費について、ファイナンシャルプランナーの西原憲一さんに聞きました。「AERA with Kids 2024年夏号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU 物価高で教育費をためるのも大変!そんななか、習い事の掛け持ち!? 教育費のピークとゴールを数値化して、脱オーバースペック! 習い事(月5千円)ひとつやめると年間6万円、10年で60万円

物価高で教育費をためるのも大変!そんななか、習い事の掛け持ち!?

 家計相談を受ける小学校低学年から中学年くらいの子どもがいる家庭の中には、習い事や塾にたくさんお金を使いすぎている場合があります。本人が希望するものや親が習わせたいものなど、いくつもの習い事や塾をかけもちしていて、放課後は毎日のように習い事や塾に通っているのです。さらに、小学校3~4年生になってくると私立中学受験を視野に入れて、本格的に進学塾に通う子どもも出てきます。子どもが小学生の今もそこそこ教育費をかけている状況で、この先の私立中学、高校、大学進学までの教育費を払っていけるのか心配になる保護者も多いと思います。

 マイホーム購入費用や車の買い替え費用、家族旅行の費用や自分たちの老後資金と、ためなくてはならないお金はほかにもたくさんあります。しかも、物価が上がっても給料が上がらない今の状態では、日々の家計のやりくりもたいへんな状況。どう教育費をためていけばいいのかわからないという家庭が多いのではないでしょうか。

 大きく時代が変化する中で、「小さなうちからプログラミングを習わせたい」「グローバルに活躍してほしいから英語は必須」と考える親心もわかりますが、途中で教育費が払えなくなっては本末転倒です。

 かけるお金とためるお金のバランスをどう取るのか考えていきましょう。

教育費のピークとゴールを数値化して、脱オーバースペック!

 まず、どの家庭にもいえるのが、「小さいときにお金をかけすぎると、あとでたいへんな目にあいますよ」ということです。高校までは公立という選択肢もあり、あまりお金をかけずに教育を受けることが可能ですが、大学進学時にはどの選択をしても数百万円単位の大きな金額がかかります。

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生島典子
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