その場によって「上」「下」と「どっちもあり」になる中の子。

「中の子の位置づけは難しいのです。本人も『自分はいったいどちらなの?』とつねに迷いや葛藤を抱えている面があるでしょう。とはいえ、中の子ならではのよさもあります。たとえば、上の子やその友達と遊ぶので、遊びや知識が洗練されるのです。ですから、明らかに同年代よりも知っていることが多い。また、上の子の失敗を見て『同じ失敗はしないぞ』とうまく立ち回ることができます。家族に自分の存在をアピールしなくてはいけないので、努力家の面も育ちます」

 気をつけたいのは、自分でできるからと本人に任せきりでは、自尊感情が低くなってしまうこと。

「つい目が届きにくくなってしまうので、本人も『もういいや』とあきらめやすくなってしまうのです。中の子には、上や下の子以上に『あなたのことをちゃんと見ているよ』というメッセージを伝えてあげましょう」

<末っ子> 年下ゆえに守られる。賢さと冷静さを併せもつ 

 いちばん小さいので、親からの関わりをたっぷり受けることができるのが末っ子。

「すでに姉や兄というライバルがいますが、その存在に脅かされることなく親との安定した関係性を築くことができます。『妹キャラ』『弟キャラ』といったことばがあるように、末っ子はかわいがられるのが上手。自分が大切にしてもらう方法をよく知っています」(小﨑さん)

 とはいえ、日常では上の子が優先されることも多く、「末っ子」ならではの悔しさも味わいます。

「私は『家族と写真』の研究もしているのですが、末っ子は上の子に比べて、写真が圧倒的に少なくなりますよね。しかも、ひとりではなく誰かと写っているものが多くありませんか?」

 習い事も、どうしても上の子たちの「サブ」的存在になりがち。

「そんな中でも、強くしたたかに生きるのが末っ子。上の子やその友達との関わりを持つことも多いので、その中で高いコミュニケーション能力を身につけるのです」

 ただ、上の子との関係性には注意が必要と小﨑さん。

次のページへ必要な時は、親は調整役を
1 2 3