きょうだい子育て、悩むことはありませんか? 子どもの立場ごとに、それぞれが抱える気持ちを探り、最適な向き合い方を大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘さんに聞きました。ここでの気持ちや特徴はあくまで傾向として、子育ての参考になったら幸いです。子育て情報誌「AERA with Kids 2024年冬号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU <上の子>「キャプテン」として集団を統率するポジション  <真ん中っ子> 臨機応変、対応上手。自分の道は自分で開く!  <末っ子> 年下ゆえに守られる。賢さと冷静さを併せもつ 

<上の子>「キャプテン」として集団を統率するポジション 

 親にとっても子育てがはじめてとなる第1子。慎重に、ていねいに育てられ、まわりからの愛情も一身に受けて育ちます。

「そのため、自己肯定感が高く、自信にあふれています。余裕もあるので、リーダーにも向いているのです」(小﨑さん)

 ところが、ある日「弟」「妹」が登場。その日から「兄」「姉」というポジションになるという、衝撃の体験をするのも上の子です。

「幼児なら『赤ちゃん返り』を見せたり、小学生なら『パパ、僕と赤ちゃんどっちが大事?』なんて親を試すようなことを聞いてみたり。きょうだいは、親の愛情を奪い合うライバルのような存在でもありますから、こういうとき、上の子は不安でいっぱいです。親子ふたりだけの時間をとったり、一緒に寝たりと、『自分はちゃんと愛されている』ということを実感させてあげましょう。弟や妹は自分を脅かす存在だけど、大好きなパパやママが大事にしている存在でもある……これは上の子ならではの葛藤なのです」

 また「はじめて」ゆえに、親はどうしても上の子に期待を抱きがちです。

「その期待にこたえようとがんばります。さらに、上として下の子には負けられない。そんな、上の子ならではのプライドも察してあげたいですね。そこで、その努力を認めて、ねぎらってあげましょう。『さすがお姉ちゃん! いつも手伝ってくれてありがとう』なんて感謝のことばを聞いたら、本当にうれしいでしょうね」

<真ん中っ子> 臨機応変、対応上手。自分の道は自分で開く! 

 上と下にはさまれることで、その場の状況を冷静に見極めることができるバランサーが中の子。

「なぜなら、親は上の子は『はじめての子育て』なのでどうしても関わりが多くなり、末の子が誕生すると、小さいのでそちらにも手がかかります。つまり、そんなつもりは決してなくても、中の子への対応が中途半端になりがちなのです。でも、その『適度』な関わりの中で自立心が培われ、自分のことは自分でするという感覚が身についていきます」

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AERA with Kids編集部
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