「きょうだいの子育てって難しい」と悩んでいる方も多いかもしれません。日々感じる、きょうだい子育てのモヤモヤについて、大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘さんに聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids 2024年冬号」（朝日新聞出版）から紹介します。
【図】上の子、末っ子…きょうだいのポジション別・接し方のポイントはこちら（全4枚）
そもそも、きょうだいっ子に「みんないっしょ」は難しい
きょうだいは「似ている他人」
「どう育てたいか」を夫婦で話し合っておくことが大切
きょうだい子育てで気をつけたいこととは？
ほかの子どもを見ることでわが子が見えてきます
そもそも、きょうだいっ子に「みんないっしょ」は難しい
「きょうだいみんな同じように育てているのに、なかなかうまくいかない……」と感じることはありませんか？ 自身も3人の兄弟を育て、さまざまな場面で子育てに関する発信を行う小崎恭弘さんは「『同じように育てている』つもりでも、やっぱり違うものなのです」と話します。
「たとえば、親がはじめての子育てとなる『上の子』と、3回目になる『末の子』とでは、それこそ赤ちゃん時代の沐浴のやり方から違いますよね。もちろん、私もそうでした」（小崎さん）
親に「同じように育てたい」気持ちや葛藤があると、きょうだいを無意識に比べがちになります。
「すると『お姉ちゃんはできたのに、妹はどうしてできないの』という具合に、きょうだいの『違い』がつらくなってしまうのです。
きょうだいは「似ている他人」
そもそもきょうだいは「似ている他人」と小崎さん。
「きょうだいは『ちがいや差がある集団』。年齢や個性がちがうのですから、子どもによって適切な対応が異なるのは当然なのです」
こう考えると、「同じように向き合ってあげられていない」「対応に差ができてしまう」といったモヤモヤも解消されそうです。
「どう育てたいか」を夫婦で話し合っておくことが大切
小学校の校長を務めていた小崎さんは、学校で保護者からの「ひとりっ子なのですが、大丈夫でしょうか」と心配する声を多数聞いたと話します。
「子どもの人数で頭を悩ませる必要はまったくありません。家族や親子の姿も多様化している昨今。子育て世帯は、社会の中で少数派になってきています。そこでしんどく感じる場面もありますよね」
そこで小崎さんのおすすめは、夫婦で話し合っておくこと。
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