この話、よくよく聞いてみると次男独特の学び構造が見えて面白かったんです。
次男はランナーを出した時、自分に向けられる一塁からのプレッシャーを背中で受け止めながら、自分が打つべき次の手は何がベストかをぐるぐる考えているそう。
※ここから野球経験ゼロの母が必死に覚えた解説をしますのでお手柔らかに……。
一塁に牽制を投げてアウトを取るべきか、それとも盗塁されても目の前のバッターからストライクを取るべきか。首を動かすとボーク(不正な投球動作)のペナルティを受けるリスクがあるので、ピッチャーは肩越しにあごを引いて見える視界の端で一塁を捉えることしかできません。次男はメガネ男子。メガネ民の方はぜひやってみてください。首を動かさず肩越しに後ろを見る時の視野ってレンズがカバーできない部分が大半なので、なんとほぼ裸眼(0.3)状態なんですよね。
本人は見えていると言い張りますが、実際には視界の端に相手のソックスの色がぼんやりチラつくぐらいなはず。つまり次男は無自覚なのでしょうが、目の弱さを音や気配など「五感」をビンビンにして補填しているんですね。それでランナーの動きを把握している次男は、だからこそ冒頭のボヤキが出るわけなのでした。アクションを起こしてくれないとわからないじゃないか!と。プレッシャーで気持ちよくなる性癖ではなかった(笑)。
ランナーが「走っちゃうぞ? お? 走ったろか?」とアグレッシブな姿勢を見せるタイプとわかると、セットポジション(投球するよのポーズ)からクイックで投げて走るタイミングを外させる、とか。そんなに足が速くなさそうなランナーなら、あえて泳がせてリードを多めに取らせたところで牽制球を投げてアウト、とか。
ものすごく考えてるんだなぁー!!
全身で感じ取り、判断し、意思決定する。これだけでもチームスポーツならではの貴重な経験であり十分に学びだなぁと思うのですが、まだ続きがあるんです。
野球って裏表がありますよね。この攻守を交代する機会を利用して、次男はさっき守りで学んだ相手の戦法を自分の攻撃になったらすかさず実践するんだそうです。自分が受けたプレッシャーがどれくらい効果あったのかは本人のみぞ知る。だから(なるほど、これやられたら動揺するな=使える!)になるらしい。ちなみに次男だってプレッシャーで足が震えたりはしているんですって。顔に出さないだけ。う、うらやましい〜!
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