末次流、ママ友づくりの最初の一歩は「ちゃんづけ」
――ちなみに、友だちを作るためのコツはありますか?
わたしがよくやるのは、下の名前を聞くことです。「トモコ(仮名)です」って言われたら「じゃあ、トモちゃんって呼んでいいですか?」って聞くんです。「え?」って、一歩引かれちゃうこともあるんですけど(笑)、なかには「うれしい!」って目を輝かせてくれる人もいて、「やったー!」って思います。
――愛の告白みたいですね(笑)。
そうですね。「ちゃんづけしたい」は、「あなたともっと親しくなりたいんです」というメッセージです。相手に「私もユキちゃんって呼ぶね」と言われると、ママでもない、マンガ家でもない私が顔を出して、ものすごく幸せな気持ちになりました。
子育ての時期って、本当に短いですよね。同じ学校に通うのだって長くて6年。この期間を友だちといっしょに楽しめたら最高です。
子どもたちの「物語」を親が手放すとき
――ちなみに、4人のお子さんたちは、末次さんのマンガを読むんですか?
女の子2人は読みますが、男の子は全然(笑)。少女マンガはよくわからないそうです。
長女は中学校でイラスト部と運動部に入りました。次女はまだ小2ですが、絵を描くのが大好きです。男子のうち、1人はサッカー少年ですが、もう一人はインドア派。4人いても個性は全然ちがうから不思議ですね。
――上のお子さんは、そろそろ思春期。末次さんの中で、何か変化はありますか?
長女が生まれたとき、『ちはやふる』の連載はもう始まっていましたから、『ちはやふる』の連載にプラス、『長女』っていう連載が1本始まったと考えるようにしていたんです。次に『長男』という連載が始まり、『次男』も連載開始、そして『次女』の連載が始まったとき、「私は連載5本抱えているんだ! 5本も連載を抱えていたら、大変に決まっているよ」って妙に納得しました(笑)。
でも最近、子どもたち一人ひとりが自分の「物語」を自分でつむぎ始めているなぁって感じます。
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