競技かるたを通じて成長する高校生たちを描いた青春群像マンガ『ちはやふる』。映画化・アニメ化もされ、マイナー競技だった競技かるた人気を押し上げたとも言われています。作者の末次由紀さんは、その15年にわたる連載期間の中で4人の子どもを産み、育ててきました。超多忙な日々の中で、4人の子どもをどう向き合ってきたのでしょうか。※続き<『ちはやふる』作者で4児の母・末次由紀が語る“部活動の魅力” 「家庭以外の場所があるって、とても大切」>を読む
【マンガ】『ちはやふる』(c)末次由紀の試し読みはこちら(全49枚)2歳違いの子が4人。数年間の記憶がありません(笑)
――お子さまは現在中2、小6、小4、小2だそうですね。
はい、上から女子・男子・男子・女子です。連載が始まってから結婚・出産して、家族のメンバーがどんどん増えていきました。
――ということは、マンガを描き続けながら妊娠、出産、子育てをしてきたんですね。さぞかし大変だったのでは。
子どもが1人だったときは、まだ余裕があったんです。でも2人目が生まれ、3人目がおなかに入り、3人の子どもを保育園に送り迎えしていたときに4人目を妊娠して……。あのころ、どうやって過ごしていたんでしょうね(笑)。当時の記憶はほとんどありません。
――育休中だって大変な状況だと思いますが、そんな中で連載を中断することなく子育てできたのはどうしてですか?
保育園には本当にお世話になりましたが、やはり一番は夫の存在です。
妊娠は私が何とかするしかありませんが、生まれてからは「きみはマンガを描け」と、夫が育児を引き受けてくれました。最初の子が生まれるときに、「母乳だけだとぼくが授乳できないから、早くからミルクに慣れさせてほしい」って言われたのはよく覚えています。
夫は「手伝う」とか「協力する」ではなく、子育ての当事者という覚悟をもってくれました。それがなければ、とても4人は育てられなかったと思います。
――マンガ『ちはやふる』の中にも、幼い子を育てながら返り咲きを狙う元クイーンが登場しますね。小さな子どもを抱っこした夫が、妻を応援する姿が印象的でした。
競技かるたもそうですが、女性が一番やりたいことを突き詰め、高みを目指すためには「追い風」になる家族の存在が絶対に必要なんです。親の協力も大切ですが、まず夫だと思います。夫からのサポートが手厚いと、仕事や競技をがんばれるだけでなく、子育てもがんばれると思います。
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