安浪:本当にその通りだと思います。最初に矢萩さんがいくつかポイントがある、とおっしゃっていましたが、もう一つのポイントとしては、やはりこのご家庭がどういう中学受験を目指しているのか、というところですよね。体が弱くて塾に通えないのは仕方がありません。そのなかで、中学受験をしたいのはなぜなのか、ということをしっかりお聞きしてみたいです。例えば、塾には行けないけれど勉強が得意で御三家レベルの学校を目指したい、と思っているのか、公立以外の場を選びたいという気持ちでやっているのか。もしくは、何がなんでも中学受験というわけではなくて、学校以外の勉強をする機会を設けたくてやっているのか。それによってアドバイスも変わってきます。
矢萩:模試も受けて、映像授業のサポート相談窓口も利用しています、と書いてありますが、この相談窓口は、子どもがわからない問題に答えてくれるところではないですよね。
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安浪:配信環境とか、事務的な相談窓口なのかと……。
矢萩:映像授業をみて、わからないところが自分でわかって、自分なりに解決できる子だったら心配ありません。そもそも対面授業とかリアルタイムのオンライン授業であってもわからないところはわからないし、質問もできないケースがとても多いんです。対面やインタラクティブな授業なら、プロの先生だと「この子は質問がないけれどわかっていないんだな」と見抜けて、そういう生徒がいたらもう1回説明してみようかな、とかちょっと声かけしてみようかな、ということができます。この「質問ができない状態の子」を伸ばしていくためのフォローとかケアを考えると、映像授業だけだと難しいんじゃないかと思いますね。
サポートしてくれる第三者をお願いする手も
安浪:私は体が弱くて学校にも塾にも通えない子を教えていたことがありますが、体が元気か元気じゃないかに関係なく、映像だけ、というのは、一部の自立した子を除いてはやっぱり厳しいと思うんです。塾に通わずに親塾だけで開成合格しました、といった話も聞いたりしますが、そのようなお家はお父さんが塾を開けるぐらい教えられるとか、かなり特殊なケースです。2科や1科に絞ってやります、ということならまだ可能かもしれませんが、4科で、しかも難関校を目指す受験をもし想定しているのであれば、たとえば、進捗管理や理解の度合いを把握してサポートしてくれる第三者をお願いするとか。この場合はやはり受験に精通しているプロがいいと思いますし、オンライン家庭教師よりも対面のほうが断然いいと思います。
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