子どもの性教育、とくにセックスや妊娠については説明の必要性を感じていても、どう伝えてたらいいか戸惑ってしまうもの。小学生の子をもつ保護者のお悩みや不安について、助産師あいこさんに聞きました。子育て・教育情報誌「AERA with Kids2024年冬号」(朝日新聞出版)から紹介します。

 性教育の必要性はわかっていても、目の前のわが子にどこまで話したらいいのか迷う親御さんは少なくありません。性教育に詳しい助産師あいこさんは、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を参考にすることを勧めます。

 ガイダンスでは、子どもの年齢ごとに学習目標を設定。5~8歳(レベル1)では、妊娠は卵子と精子が結合し、子宮に着床して始まるしくみを理解すること。9~12歳(レベル2)は生殖に必要なステップ、つまりペニスが膣内に射精することで妊娠の可能性があると理解することを目標にしています。これを発達段階に合わせてわかりやすく説明します。

「レベル1では、例えばトンボが2匹つながっているのを見たら、オスとメスにある命のもとがくっつくと赤ちゃんの卵になるよ、命のもとは性器といってオシッコが出るあたりにあるよ、などと話すといいでしょう。レベル2になると体内の機能が理解できるようになります。おなかの中に子宮や卵巣があること、射精についての説明も加わります。科学的かつシンプルに、生き物はこうして生まれると伝えてみてください」

 また、性を肯定的に話すことも意識したいポイント。

「性教育は『性犯罪にあわないように』とネガティブなアプローチになりがちです。でも、本来は私たちが健康でいられるための教育です。『人間の体はうまくできているよね』『人と人とのふれあいは安心するね』など、ポジティブに伝えてほしいなと思います」

※質問募集のアンケートは、子育て・教育情報誌「AERA with Kids」(朝日新聞出版)、AERA with Kids公式LINEおよびインスタグラムで2024年10月3~9日に実施。

(取材・文/越膳綾子)

「セックスって何?」と子どもに聞かれた時の模範解答とは?
AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2024年 冬号 [雑誌]

朝日新聞出版

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2024年 冬号 [雑誌]
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越膳綾子
ライター 越膳綾子