最終的には第1志望校に進むことにはなりましたが、その道のりは決して平坦ではなく、その過程をほかの生徒の保護者の方々はご存知でしたから随分と心配を掛けたと思います。親御さんから「子どもが合格しました」と電話を受け、心から嬉しく思いながらも、苦戦を強いられている息子のことが頭をかすめ、気持ちがズンと重くなったこともあります。
――進学先が決まったときの率直な気持ちは?
先に受験を終えた生徒の保護者の方々が塾にやってきて、「先生のお子さんも無事に決まって本当に良かった」と口々に言ってくださって。「皆さんのほうこそ、おめでとうございます」とお伝えしても、「いやいや、先生のお子さんが決まって本当によかった」と、自分のことのように喜んでくださったことを覚えています。
ちなみに、僕は息子の志望校の合格発表の画面を開き、「合格」の文字を見た途端、思わずワッと泣いてしまって。「嬉しくて涙があふれかけたのに、横で大号泣している父親を見て、泣くタイミングを完全に逃した」と後日息子に言われたのも、いまとなってはいい思い出です(笑)。
(構成/古谷ゆう子)
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