「自然免疫はウイルスや菌による感染や生ワクチンの接種による刺激を繰り返し受けて訓練されると、強化した状態を維持します。また、獲得免疫も同様に感染や種々のワクチンの接種によって得られ、その記憶が私たちを守ってくれます。
保育園などで毎日たくさんの人と接触している子どもは、そうでない子どもに比べてウイルスに感染する回数は多いのですが、小学校に入ると逆転します。適度に病原体と接触する機会をもつことで、さまざまな病原体と闘えるように自然免疫も獲得免疫も鍛えられるからです。あえて病気になる必要はありませんし、重症化は防がなければいけませんが(とくに0~1歳児は重症化しやすいので要注意)、年長の子どもの場合は、ある程度の感染は強い体を作るために有効といえます。
感染を防ぐことより、感染しても抵抗できるように、基礎体力を強化したり、規則正しい生活習慣で体調を整えたりして、免疫がちゃんと働くようにしておくことが大切です」(森内医師)
(取材・文/石村紀子)
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