こんにちは。12月から新たに編集部に加わりました岩本です。映画を見るのが好きなので、自己紹介がわりに最近見た映画の中から、親子でぜひ見てほしい作品を紹介します。

 タイトルは「ホワイトバード はじまりのワンダー」。なんだか見たこと、聞いたことがあるなと思った方、その感覚は間違いじゃありません! 本作は、2018年に日本公開された映画「ワンダー 君は太陽」のもう一つの物語。前作で、顔に障がいがある少年オギーをいじめて退学処分となったジュリアンと、彼の祖母サラにスポットを当てた作品です。

 自分の居場所を見失い、いじめの一件を通して学んだことは「人に意地悪も優しくもしない。ただ普通に接することだ」と言うジュリアン。そんなどこか投げやりになっているジュリアンに、祖母のサラが自身の少女時代を語る形で物語は進んでいきます。

 舞台は、第二次世界大戦中、ナチス占領下のフランス。ユダヤ人迫害から、サラがいかにして生き延びることができたのかが描かれます。その背景には、サラのクラスメイト、ジュリアンの勇気あるやさしさがありました(孫のジュリアンの名前は、命の恩人である彼からとったものなのです!)

 戦争という社会の大きなうねりの中で、自分や家族の命を危険にさらしてまで人に親切でいられるのか。自分が同じような状況にあったらどうしていただろうと、考えずにはいられませんでした。親切であることの尊さや、苦しい状況でも希望を捨てずに前を向いて生きることの美しさ、そんな普遍的なメッセージが映画には詰まっています。

 個人的に好きな場面は、サラとジュリアンが納屋でドライブをするシーン。もちろん、車はエンジンもかからないし動きません。でも、ふたりは想像力の翼をめいいっぱい広げて、パリやニューヨークなどをドライブして楽しい時間を過ごします。自由に行動することができない中で、「想像力」という翼が人を希望の光があるところに連れて行ってくれる。想像力は、生きる力にもなるのだと実感させられました。

 ちなみに、前作「ワンダー 君は太陽」も本作「ホワイトバード はじまりのワンダー」も、R・J・パラシオによる児童文学が原作になっています。映画とあわせて、冬休みの読書にもおすすめです!

(編集部・岩本恵美)

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