本は読むけれど、読書時間がいつも短い、自分の知らない分野の本に手を出さない……。子どもの読書に「あるある」なお悩みは、もしかすると「読書体力」がまだついていないのかもしれません。読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を運営する笹沼颯太さんに、子どもの読書を一歩進ませるアドバイスを聞きました。

MENU 1)短い一冊をどんどん読んで「読み慣れる」 2)「ラク」な本ならどんどん読める 3)予備知識をつけてあげる「ガイド読み」 僕は、物語の「情景描写」を読み飛ばすことが多かったです

1)短い一冊をどんどん読んで「読み慣れる」

――子どもの読書に関して、本は読むけれど「すぐにやめてしまう」「すぐに飽きてしまう」といった親御さんの声をよく聴きます。これは、集中力の問題ですか?

 本を長い時間続けて読めないのは「疲れてしまう」から。ヨンデミー流にいうと、本を読むための「読書体力」がまだついていない状態なのです。ですから、読んでいるうちに頭が疲れてきて、集中できなくなってしまうんですね。

―――「読書体力」はどのようにして鍛えていけばいいですか?

 その方法はいくつかあるのですが、まずは「読み慣れる」ことがいちばんです。本を読むことに「慣れる」のです。

 コツは「長い物語本を読む」ことではなく、シンプルに「たくさん読む」こと。短い一冊でいいのです。その分、累計を増やしていきましょう。コンスタンスに、たくさん読み重ねること。これが読書に慣れる方法、つまり読書体力を上げるいちばんの方法なのです。

2)「ラク」な本ならどんどん読める

 次は、「かんたんな本」にすることです。子どもがストレスなく読み続けられるレベルの本を選びましょう。

 知らないことばばかり出てくると、読んでいて疲れてきますよね。大人でもそうだと思うのです。たとえば「古典」。詳しい人ならスラスラ読めますが、そうでない場合はなかなか読み続けられませんよね。子どもも同じなのです。

――ラクな本ばかり読んでいて、レベルアップできるでしょうか。

 まずは「読書体力」をつけることが大切です。読書体力がつけば、大人から言われなくても、自分からどんどん本を読むようになります。

次のページへ途中で飽きてしまった場合は?
著者 開く閉じる
笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

1 2