それから、良質の睡眠も骨の成長に欠かせません。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、骨を伸ばす「骨端線(こったんせん)」にも作用していますし、骨折してしまった骨が治るためにも睡眠は必要です。子どものうちにしっかりと睡眠習慣を身につけましょう。
骨を丈夫にするために、適度な運動負荷をかける
――そのほかに家庭でできることがあれば教えてください。
やはり日常生活の中にさまざまな運動を取り入れることですね。これまでの研究によると、跳んだりはねたりして骨に負荷がかかることで、カルシウムが骨に定着するのではないかと考えられています。骨を丈夫にするには、運動による刺激が必要なのです。
また、筋肉や関節は使わずにいると徐々に機能が低下していきます。関節の可動域が狭くなり、筋肉の柔軟性が失われていくのです。骨と筋肉はつながっていますから、筋肉がうまく動かないと骨に余計な負担がかかり、骨折しやすくなってしまいます。
親としては、子どもが激しめの遊びをしていると「危ないよ」と止めたくなるものですが、すべてを禁止するのではなく、臨機応変に対応することを心がけましょう。また、最近は小学生も習いごとなどで忙しいので、毎日のように外遊びをすることは難しいかもしれません。そうした場合は、階段を使う頻度をなるべく増やしてみてはいかがでしょうか。例えば、休日に親子で外出するとき、駅のエスカレーターではなく階段を使い「今日は何段上ったね」と共通の話題にするのも楽しいかもしれません。そうしたちょっとした運動習慣の積み重ねが、丈夫な骨を育みます。親御さんの運動不足の解消にもなりますよ。
(取材・文/越膳綾子)
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