11月11日に衆議院本会議で行われた首相指名選挙の決選投票を経て、第103代首相に石破茂首相が選出されました。自民党の総裁選の方法や石破首相の人柄などについて、ジャーナリストの一色清さんがわかりやすく解説します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年12月号』(朝日新聞出版)からお届けします。※後編<第二次石破政権のカギとなるのは「来夏の参院選」 総選挙で与党大敗の理由をジャーナリストが解説」>に続く
自民党総裁選挙のやり方とは?
ーー自民党総裁選で、石破茂総理大臣が誕生しましたね。
自民党は国会議員の数が最も多く、今の日本の政治を動かしている政党です。そのトップである総裁は、国会で総理大臣に指名されるのが確実なので、総裁選=総理大臣を選ぶ選挙になります。
ーー石破首相はどんな方法で選ばれたのですか?
まず、自民党の国会議員の中から総裁になりたいという人が立候補します。その際には20人の自民党所属の国会議員の推薦が必要です。今回は過去最多の9人が立候補しました。そして、その中から国会議員と全国47都道府県の自民党員・党友による投票で選ばれます。一般の人は投票することはできません。
ーーアメリカなどは一般の国民が一票を投じてほぼ直接的に、国のトップを選ぶ「大統領制」というしくみですよね。
はい。一方、日本は国会が国のトップである内閣総理大臣を選ぶ「議院内閣制」というしくみです。一般の人は国会議員を選ぶことはできますが、総理大臣を直接選ぶことはできないというわけです。
子どものころの夢は「車掌さん」「学校の先生」
ーー石破首相ってどんな人ですか?
鳥取県選出の衆議院議員で、5度目の総裁選でようやく選ばれました。長く総理大臣を務めた安倍晋三氏との関係が悪かったり、仲間づくりが得意でなかったりしたため、これまでは勝てなかったのですが、まじめで誠実なイメージがあって党員の人気は高かったんです。これからは党内をどれだけまとめられるかが、課題とみられています。
ジュニアエラ編集部