キュウリの上の図形が、円形から長方形に変わると、挙がる手がやや減った。首をかしげて考えている子どもたち。
立体のものは、切り方によって断面の形が変わる。算数の「図形」問題の一種だ。
次にトマトを横に切った断面の写真が映し出された。子どもたちへの問題は、「トマトをどうやって切ったら、こんなふうになる?」
子どもたちが口々に答えを言い合う中、安浪さんは集まった保護者たちにこう伝えた。
「このトマトの切り口を答える問題は、最難関校、女子学院中学校の入試で今年出題されています」
日常生活の経験から体得する「算数」との付き合い方
安浪:「このように遊びの感覚で数字や図形と仲良くなれたら、算数が好きになれると思うんです」
鈴木:「『AERA with Kids』でも、算数や理科、社会など、さまざまな教科で遊びから学びにつなげる工夫を紹介しています。
たとえば塩と砂糖をそれぞれ50mlずつとって、重さを比べてみる。量は同じなのに、砂糖のほうが少し軽い。教科書で教わるよりも自分で量って比べると、実感として覚えられる。自然に『なぜだろう?』と考えることにもつながります。
ほかにも、駄菓子屋で予算ぴったりになるように買い物をしてみようとか、電車の1両には何人が座れるかを推測してみよう、とか。生活のなかで学びに興味を持つ部分はいろいろとありますね」
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