首都圏では5〜6人に1人が挑戦する中学受験。「わが家もするべき?」と悩むかもしれませんが、メリット・デメリットの考え方は家庭によって違います。中学受験と高校受験、どちらの選択肢もサポートする「栄光ゼミナール」の入試情報センター責任者・藤田利通さんに、基本的な違いや選ぶポイントを聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2024秋号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU 好きなことに粘り強く取り組める子は中学受験も頑張れる 入試形態や学校選びが中高ともに多様な時代に 今の中学受験・高校受験の「しくみ」の違いをチェック

好きなことに粘り強く取り組める子は中学受験も頑張れる

 小学3、4年生になると、中学受験を考える家庭が増えます。ただし、今も高校受験をする生徒が大多数なのは確か。どちらがわが子にとってベストな選択か、悩む人も多いでしょう。

「中学受験をする子に明確な適性、不適性はない」という結論を出しながらも「受験を決める前に、低学年のうちは好きなことを見つけてほしい」と話すのは、栄光ゼミナールの藤田利通さんです。

「幼いときに得た『好き』は、『得意』につながります。虫が好き、本が好き、実験が好きなど、生まれ持った興味関心があるはず。それを伸ばしてほしいです」と藤田さん。逆に、苦手分野を減らす“消去法”の勉強では子どもは伸びにくいと言います。

「×を直すより、○を増やすことが大切。好きなことに粘り強く取り組める子は、間違いなく中学受験も頑張れますよ」

 同時に、中学受験は、「親子で二人三脚をする覚悟が必要」とも。「まだ小学生ですから、親が寄り添う必要がある。膨大な時間や費用もかかります。親子で疲弊しないよう、よく考えましょう」

 子どもがある程度成長し、勉強の自走ができる年齢で臨める高校受験にシフトするのも一つ。

「高校受験では学校の数も受験の方法も選択肢が増えます。いずれにせよ、小学生のうちから勉強を頑張って “学力の貯金”ができていれば一生の財産になります。周りに流されず、家族にとってベストな進路を選んでください」

入試形態や学校選びが中高ともに多様な時代に

 中学受験熱の最初のピークは1990年代。以来、中学受験は有名大学への登竜門としても人気を集めてきました。最近は志望校選びにも変化があると藤田さん。

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玉居子泰子
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