老舗かばんメーカー池田屋(本社:静岡市)が今年1月に発売した「エアリュック®」の最新モデルは、撥水性に優れたナイロン製で650gです。
異業種の参入も相次ぎ、インテリア・家具大手「ニトリ」(本社:札幌市)は、約840gと超軽量ランドセルを開発。作業着専門店「ワークマン」(本社:群馬県伊勢崎市)も今年6月、低価格のナイロン製通学用リュックを発表。重さを感じにくい仕様にこだわり、1年間で千個を販売予定でしたが、わずか1か月で売り切れてしまったそうです。
「大前提として、小学校ではランドセルを使用しないといけないという規定はありません」と白土教授。
「学校指定のかばんがある場合をのぞき、大抵の学校は、両手が自由に使えて、転んだ時にクッション代わりになる“背負い式”であれば、どんなものでもかまわないのです」
独自の通学用かばんが定着している地域も
古くからランドセルに代わる通学リュックが定着している地域・自治体もあります。
京都府では1968(昭和43)年、黄色い背負い式かばん「ランリック®」が開発されました。きっかけは、家計の事情で牛革のランドセルが買えず、豚革のランドセルを持っていた長岡京市の児童が、学校でいじめられたこと。心を痛めた校長先生が、隣の向日市にある学用品店に相談し、高価なランドセルに代わるかばんが開発されました。革のランドセルが1kgを超えるのに対し、ナイロン製のランリックは670~900g程度。今も京都府内の多くの小学校で使われています。
北海道小樽市では、市内のかばんメーカーが1970(昭和45)年に発売した「ナップランド」が定着しています。「ナップサックの軽さとランドセルの丈夫さのいいとこ取り」の意を込めて命名されたナップランドは、重さ約850g。撥水性のあるナイロン製で、雪や坂の多い小樽の町でも使いやすいことから、半世紀経った今も小学生の約7割が使用するベストセラーです。
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