現在、0歳から中学3年生までの子どもがいる家庭に、子育て支援として国が給付している児童手当(所得制限あり)。この制度が、10月から拡充されました。今回の拡充は、多くの子育て家庭に影響がある「思いきった改正」と、ファイナンシャルプランナー(FP)の氏家祥美さんは言います。これまでと比べてなにがどう変わったのか、きちんと把握しておきましょう。かしこくためるヒントもあわせて聞きました。(※2024年9月24日配信記事を、制度開始にあわせて10月4日に更新しました)

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より子育てしやすい社会を目指して、思いきった改正に注目!

――なぜ、児童手当制度が改正されることになったのですか?

 止まらない少子化への対策として、国は2023年12月に「こども未来戦略」を策定しました。その施策のひとつに「子育て世帯の家計を応援」があります。今回の児童手当の改正もそのひとつです。

――どんな点が改正されたのでしょう?

 今回は、次のような思いきった四つの改正がなされています。

1.所得制限の撤廃

 現在は所得制限が3段階に分けられ、それぞれ給付金額が異なります。そもそも「所得上限限度額」を超える所得がある家庭には、児童手当が支給されていません。10月からは所得制限が撤廃されるので、所得額に関係なく支給されるようになります。

現在の所得制限は3段階に分かれている。表は扶養している配偶者と子どもが2人いる4人家族の場合。

2.支給期間の延長

 今までは子どもが中学3年生までの期間が支給の対象でした。これが延長となり、高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)まで支給されます。

 これに合わせて、高校生を扶養する親の扶養控除が縮小される見込みです。これにより税負担が増える世帯でも、児童手当改正のメリットのほうが大きくなるよう配慮されるようです。

3.第3子以降の支給額が3万円に

 第3子以降は、0歳から高校生年代まで、給付額がどんと増えて3万円になります。これまでは、「多子加算」として3歳から小学校卒業までが支給額の上乗せだったので、これは大きな変化です。また、第3子のカウントの仕方も変わります。3人きょうだいなら、現在は高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)ですが、改正後は第1子が22歳になる年度末まで「第3子」となり、3万円の支給が続きます。

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三宅智佳
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