「先に決まってた次男のほうの車出し係になっちゃったから長男は送っていけない。誰かに乗せてってもらわないと……配車に空きがあるか聞いてみる……あ、でも待ち合わせ場所までは送って行かなきゃ!」

「じゃ朝イチで三男と長男を乗せて待ち合わせ場所で長男降ろして、その足で三男のスイミングにオレが行ってくるよ」

「待って次男の試合は午後からだけど11時には集合しないとだって! スイミングが終わるの10時半だから一度家に帰って次男ピックアップする時間がないよね。じゃあ私と次男はバスで先に会場行っとくから父さんはスイミングから直接向かう?」

 ……とこんな感じ。1台の車と2人の大人で3人それぞれ別の予定をやりくりしていきます。野球の怖いところは一日前に会場や日程が変わることもしばしば。仕方のないことですが雨でも降って延期になったりすると、こちらもまた一から動線と時間調整のやり直しです。

 普段の練習は自転車で通っている長男ですが結構遠征も多く、予想以上に今は中学生の習い事にも親は付き添うもんなんですね。もちろん試合があれば来るなと言われるお年頃までは親のほうも見に行きたいし。

 昔は子どものお世話の手が足りずに分身したい!とよく思っていましたが、ある程度何でも自分でできるようになったはずの今でも、やっぱりもう一人くらい自分がほしい。こういう事務的な相談事って結局自分のリソースをどれだけ使って対応の穴埋めをするかが主題なので、お互いにストレスを感じる時間なんですよね。余暇って感じはまったくしない。

 どっちが車を使う? 片方はバス? 自転車? 徒歩? (車を譲ってランニングで試合会場まで行ったこともある夫)時間間に合う? チームへの連絡は? お当番は? お弁当は……。

 で、めんどくささとピリついたムードに耐えきれなくなった夫、おもむろにスマホを見せてきながら、

「もう軽自動車買っちゃう!? 俺さぁ実は最近気になってる軽があって……」

「あっ知ってる、このシリーズ可愛いよね! 色もたくさんあるし」

「そうそう、小回りきくしちょっと一人近場に送ってくとかなら便利そうで〜」

次のページへ明日の話してんの!明日!!
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