中学入試<国語>の読解問題で出題される素材文には、主に「説明文」と「物語文」がありますが、今回は「物語文」の解き方のポイントについて、声の教育社の猪狩斉大さんに解説してもらいました。2024年度の中学入試によく出た本、2025年度の入試で出題されそうな本も紹介します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年9月号』(朝日新聞出版)からお届けします。※<中学入試の「国語」読解問題でとりあげられた本は? 渋幕、筑附、豊島岡女子などで出題された5冊を紹介>から続く

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登場人物の心情が問われる


 中学入試の国語では、小学生から高校生ぐらいの主人公が登場し、さまざまなエピソードを通じて悩んだり、成長したりする物語がよく出題されます。

 最もよく問われるのは、描かれている出来事やセリフなどから、「○○はどう思いましたか」「○○がこう言ったのはなぜですか」など、登場人物の心情を問う問題です。友達や家族など、主人公以外の登場人物の心情も問われます。

間違えてもOK! 自由に読み進めてみよう


 おすすめなのは、話を追うだけでなく、「○○はこう思っているのではないのかな?」「こんな展開になるんじゃないかな?」などと自由に予想しながら読むことです

 登場人物の気持ちは、ほかの人物や動物、自然、モノなどを通じても描かれます。例えば、雨の降る描写から、「主人公の悩む気持ちを表しているのかな?」と考えて、「悩みが晴れたら、空も晴れるんじゃないかな?」と予想してみる。また、老人が幼い子どもをじっと見つめている描写なら、「亡くなった自分の孫と重ね、深く悲しんでいるのでは?」ととらえることもできるでしょう。

 読み間違えてもかまいません。自分なりに考えを深めてみてください。想像力や発想力が身につき、物語を読むのがきっと楽しくなるでしょう。そんな経験を繰り返すうちに、心情を読み取るコツもつかめるようになると期待できます。

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ジュニアエラ編集部
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