どんな子におすすめ?

『ハロウィーンまで、まってなさい』(ミリアム・ヤング 作/小宮由 訳/平澤朋子 絵/岩波書店 刊)

 ちょっぴりスリルがある話が好きなお子さんにおすすめ。ハロウィーンの夜、動き出した魔女たちはそれぞれ呪文をとなえます。

 「マグナバス フォルディクム ゴブリンの皮……」「コウモリの息を十グラム カブトムシの羽をひとつまみ……」といった不思議な言葉にワクワクする子にぜひ読んでほしい童話です。

 漢字にはよみがながついているので、小学校低学年から読めますが、少し読書に慣れてきた子の方が楽しめるかも。姉さん魔女たちがどんな風にいたずらをしかけるのか、そして、まともな呪文を知らない末っ子のナネットはどうなるのか。

「おかしいわね。魔女なのに、こんなにまんまるな顔で、おっきな目をしてるなんて」と最後にナネットにほほえんでくれるのは誰なのか……?

 お人形が好きな子や、ハロウィーンを間近にして物語の世界にひたりたい子にもおすすめです。ハロウィーンの夜の奇妙な呪文と、おもちゃ屋さんを飛び出した魔女たちがしかける本気のいたずらは、子ども時代の心に残りそうです。

ハロウィーンまで、まってなさい

ミリアム・ヤング,小宮 由,平澤 朋子

ハロウィーンまで、まってなさい
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大和田佳世
ライター 大和田佳世

絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て2009年よりフリーランスに。絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」や朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」などの他、雑誌「MOE」、出版社の各Webメディアで執筆。作家、翻訳家へのインタビュー多数。子どもは小中高の3人。

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