親世代にはなかった小学校の英語。英語のスキルや英検、中学受験についてなど親が抱きがちな英語にまつわるさまざまな疑問を、英語専門の学習塾「J PREP斉藤塾」代表の斉藤淳さんに聞きました。「AERA with Kids2024秋号」からご紹介します。

Q アルファベットは書けるようにしておくべき?

――ひらがな、カタカナの次にアルファベットが書けるようになるといいですね。なぞり書きができる教材などを使うと、練習しやすいですよ。ひと通り書けるようになったら、いつも食べているお菓子のパッケージなどにある、身近な英字を書き写してみるのはいかがでしょう。私も幼いころ、菓子メーカーの名前を書き写して、母にほめられたことを今でも覚えています。

Q 英検®は受けるべきですか?

――子ども自身の勉強の動機づけになるなら、積極的に活用するといいでしょう。試験は学習の進捗を管理するためにあるので、結果をもとに英語学習をステップアップするツールとして活用できます。挫折させないように、確実に合格するごく簡単な級から受けるといいですよ。リスニングが主体の英検Jr.®から始めるのもおすすめです。

Q 英語にまったく興味を示しません…

――とくに小学3、4年生ごろになると、自分の好きな物事やのめり込む対象がはっきりしてきます。スポーツ、車、おしゃれ、アニメ……。これを好きなことにひもづけてあげるといいのではないでしょうか。例えば動物が好きなら、英語の図鑑を与えてあげます。うちの子にはまだ難しいと思わず、最初は絵と字を眺めるだけでいいのです。「もっと勉強すれば、これがわかるようになる」と思わせるのもひとつの方法ですよ・

Q スペルの間違いが気になります

――小学生の間はスペルを書けなくても、活字を見て、ある程度正確に発音できることを優先しましょう。個人的にはこの時代、スペルチェッカーに任せればいいのでは?とも思っています。中学以降は試験対策のために正確に書けるようになったほうがいいです。日本の中学校の試験は筆記がほとんど。英語ができるのに試験で点数が取れないと、つまずきの原因になりますので、注意してあげたいですね。

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斉藤 淳
J PREP代表 斉藤 淳

J PREP代表。元イェール大学助教授。上智大学外国語学部英語学科卒業、イェール大学大学院政治学専攻博士課程修了。2012年に J PREP 斉藤塾を起業。著書に『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)、『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』(SBクリエイティブ)などがある。

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