■苦手を楽しい経験にしてみる

 でも、のんちゃんは頑張りたいという気持ちがあるんだよね。無理はしてほしくないんだけど、頑張る方法を考えてみたよ。

 よしおは、ランニングが日課で、走るのが大好きだけど、ランニングに挑戦し始めたときは1キロ走るだけでバテて、ひざや足首が痛くなってしまっていた。からだのあちこちが痛くなるから、記録も伸びなくて苦しかったんだ。

 でも、ランニングシューズとかウェアとか、走るときにテンションが上がるグッズをそろえたり、自分だけのための記録日記をつけたりしたことで、徐々に走る距離が伸びていったよ。記録日記には、走った距離と時間を記録していくんだけど、後から見返すと成果が目に見えて、「速くなったなー」って実感できるし、次もがんばろうっていうやる気がわくんだ。

 あと、一回「苦手」を忘れられることをしてみるのはどうだろう? 「走るの楽しい!」という経験をするってこと。例えば鬼ごっことかケイドロとか、陣取り合戦とか、走ることが入った遊びをしてみるんだ。遊びながら走ることで、「走ることって楽しい」って思えたらいいなあ。

■「ちょっとさよなら」宣言もいいんじゃない?

 だけど本音を言えば、体調まで崩しちゃうことは、「ちょっとさよなら宣言」をしてみてもいいと思う。先生や親に、「走ると体調が悪くなって、他のことが手につかなくなる。得意な算数のテストも最悪の点数をとってしまったように、影響が出てしまう」っていうことね。よしおにこうやって相談を送ってくれているから、先生にも同じように伝えていいと思うよ。

 たった一つの苦手なことに心やからだが侵食されて得意なことにもよくない影響が出てしまっているからね。あまりうまくいかないことを休むことで、自分の環境を整えてあげるんだ。それで、挑戦できるかも、って思ったタイミングでまた先生に相談してみるのはどうだろう?

 よしおが考えるに、のんちゃんは走ることじゃなくて、回数を数えたりタイムを計ったりするのが苦手なんじゃないかな。プレッシャーがかかると緊張して本来の力を発揮することが難しくなるし、回数やタイムで成績が出ると周りと比べられることもある。これは、いろんなことが苦手になる原因でもあるみたい。図工や美術も、成績がつけられることで苦手になる人が多いんだって。

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