「鉄道の技術は日本が世界に誇れるもの。その技術を支えているのは、アマチュアのレベルの高さだと思います。鉄道の魅力を世の中に伝えていくことが、鉄研の社会的使命だと信じています」というコメントは、さすが東京鐵道中学の系譜である。

校舎入り口付近にある「しばうら鉄道工学ギャラリー」。開放的で明るく、一般の人も入りやすい。Nゲージ鉄道模型のほか、本物の運転台や座席、鉄道部品など鉄道好きにはたまらない展示が盛りだくさん

【白梅清修】2番じゃダメ!必勝の体育会系だけど普段の議論は脱線の連続!?

【白梅学園清修中高一貫部】

「ライバルは灘です!」と、白梅学園清修中高一貫部(以下、白梅清修)の鉄道模型デザイン班顧問の中澤亜紀さんが明言する。

 2021年度の「全国高等学校鉄道模型コンテスト」のモジュール部門で、白梅清修が1位に相当する文部科学大臣賞をさらったことで、関西の灘の本気に火をつけてしまった。以来2年連続で灘に1位を奪われ、涙をのんでいる。24年度こそ首位奪還を誓って部員たちは作戦会議を重ねていた。

 他校が実際の風景をモチーフにしたジオラマを作製するのに対して、ジブリ映画などをモチーフにしたファンタジーな作品が白梅清修の特徴である。早く今年の案を固めなければいけないが、部員たちが提出した案に、「これじゃ勝てない!」と顧問の中澤さんがNGを出して、議論は振り出しに戻った。

おしゃべりの中から想像を広げ、案出し

 放課後の多目的ホールのテーブルを、高2の5人の幹部メンバーが囲んでいる。タブレット端末を操作しながら、Googleマップを使ったり、観光地のホームページを見たりして、ジオラマにしたときに「映え」そうな風景を探す。

「ほんとはもうとっくに案が決まっていなければいけないんです。もうお尻に火がついている状況です」と、メンバーの1人が自虐気味に教えてくれた。高2の幹部メンバーが早く案を決めてくれないと、下級生たちも動けない。

 が、その割には脱線が多い。

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