テストの点数にかかわらず、「すごいね」と言える理由
私の場合、よく叱るぶん、よくほめます。本当にささいなことでも、すぐほめます!
使った食器を下げたときとか、一番下の妹と遊んでくれたときとか、苦手なものを全部食べたときとか、きょうだいに譲ってあげられたときとか、宿題終わらせたときとか……。「すごいじゃん!」「えらいね」「ありがとう」の言葉は出し惜しみしません。
テストの結果を見せてもらったときも、たいていほめています。点数がいいときはもちろんだけど、そうでなくても「この漢字、キレイに書けてるね」とか「この問題解けたんだ!」とか。
このまえは国語のテストで、主人公の気持ちを選択肢から選ぶ問題が〇でした。「この人の気持ち、ちゃんとわかるんだ! すごいね。ママだったらこっちを選んだと思うよ」って、思わず感心しちゃいました。
本人が「全然だめだった」と悔しがっていたときにも、「悔しがれるのはすごいねえ。次はもっとがんばれるってことだよ」とほめました。
ほめることって、本当にたくさんあると思うんです。
そんなふうに思えるのは、母の影響かなぁと思います。私の母はしつけに厳しい人だったけれど、普段は本当によくほめてくれる人でした。テストの点数が60点でもほめてくれて、子どもなりに「この点数で、こんなにほめてもらっていいのかな」と思ったことをよく覚えています。
大人になった今、母に叱られたこともほめられたことも全部私の財産になっています。10年後、20年後の子どもたちにも、そう思ってもらえたらいいなぁ。
(構成/神 素子)
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