――子どもが自分で耳掃除をする場合、保護者はどのようなことを伝えればいいですか?

 これまでお話しした通り、やり過ぎないことのほかには、安全な場所を確保してからやるということです。耳掃除をしている手やひじがどこかに当たると、外耳道を傷つけたり、鼓膜を破ってしまったりするので、周りに人がいないことを確認するようにしましょう。自分の周囲1m以内にドアや壁がないことも大事です。洗面所で耳掃除をしていたら、突然ドアがあいてひじがあたってしまうということも考えられるからです。これらの注意点は保護者が子どもに耳掃除する場合も同様です。子どもは想定外の動きをするので、例えば保護者が上の子の耳掃除をしている最中に、下の子が背中に飛びかかってきて鼓膜を傷つけてしまったというケースもあります。

――子どもが耳掃除を嫌がる場合はどうすればいいですか?

 耳掃除を嫌がる子は耳を触られるだけでもイヤということがあります。耳をやさしくマッサージしてあげることから始めてはいかがでしょうか。それでも難しい場合は、保護者が無理にやろうとせず、耳鼻科医にとってもらうことをおすすめします。

(構成/中寺暁子)

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中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

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