タイプ別、耳掃除方法

――家で耳掃除をする場合、綿棒や耳かきはどのようなものを使えばいいですか?

 先端が極細の「ベビー用綿棒」がおすすめです。ベビー用ではない綿棒はよく見ると、先端がガサガサしているので皮膚を傷つけやすいと思います。

――綿棒はどのように使えばいいですか?

 保護者がやる場合には耳を少し引っ張って中を見やすくしてから、綿棒で耳垢をかき出す、あるいは耳の穴の入り口付近を綿棒でぐるりと1周まわすようにしてください。子どもの耳の穴は小さいですから、太い綿棒だとぐるりと回すことができないので、細い綿棒がおすすめなのです。

――耳垢はベトベトした湿性のタイプとカサカサした乾性のタイプがありますが、タイプ別の掃除方法はありますか?

 湿性タイプは耳垢が耳にはりついていてとりにくいため、お風呂上がりに綿棒でとるのがおすすめです。耳掃除は基本的には綿棒がいいですが、湿性タイプは先端がらせん状になっている耳かきでもとりやすいと思います。先端がへらの形になっているタイプの耳かきは、力が入ったときに皮膚が傷つきやすいので小さなお子さまにはおすすめしていません。

 乾性タイプは、綿棒の先端にワセリンなど軟膏をぬってから耳掃除をすると、カサカサした耳垢がくっついてとれやすくなります。

――耳垢はできれば耳鼻科でとってもらったほうがいいのですか?

 基本的には自宅での耳掃除だけで問題ありませんが、きちんととれているかわからない場合や、子どもが動くので耳掃除をするのが怖い、といった場合は、遠慮なく耳鼻咽喉科を受診してください。耳掃除だけの受診でも、嫌がられることはありません。

耳掃除が苦手な子にはマッサージから

――耳鼻科で耳掃除をしてもらったほうがいいケースはありますか?

 耳垢がたまって塊になりやすいタイプの子は、受診したほうがいいと思います。「耳垢がよくとれて、かゆみがある」といって受診されるケースの中に、実は外耳道炎のために耳垢ではなくて浸出液の塊がたまっていることがあります。この場合、ステロイドの塗り薬を処方すると、かゆみがとれて浸出液もなくなります。

 また、補聴器やイヤホンを長時間つけているような子は、自然に排泄される耳垢を頻回に奥に押し込んでしまっていますので、2、3カ月に1回受診して耳垢をとってもらったほうがいいでしょう。

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