中学受験と切っても切り離せないと言えるのが塾通いです。塾を選ぶ際にはどんなポイントに注目すればいいのでしょうか。プロ家庭教師「名門指導会」代表の西村則康さんに失敗しない塾選びのコツ、塾通いの際の親の心構えを聞きました。「偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2025」(朝日新聞出版)から紹介します。
【画像】塾に通う際の親の心構え5つはこちら(全5枚)同じ塾でも校舎によって雰囲気が違う
「塾通いを始めるのは小学4年生になる前の時期が一般的。3年次に夏期講習などを受け、候補としている塾の指導法や雰囲気を知っておくのもよいでしょう」
そう話すのは、家庭教師であり、多くの塾の特徴を把握する「塾ソムリエ」としても活動する西村則康さんだ。
西村さんによると、予習に重点を置くか復習に比重をかけるか、競争意識を重視するかそうでないかといった方針は塾によって異なり、さらにいえば雰囲気などは同じ塾でも校舎によって違うという。
学校のテストの点数がポテンシャルを示す
首都圏模試センターの発表によれば、2024年度の首都圏私立・国立中学受験者数は約5万2400人で、受験率としては18・1%に達している。18%超えは、同センターが三十数年前に調査を開始して以降初めてだった。
こうした数字が示すように中学受験は活況を呈しており、4科型や3科型で志望校に合格するには受験対策としての塾通いが不可欠と見ていい。塾に通うか、言い換えれば中学受験に臨むかを判断する基準は3年生までの学校の成績だと西村さんは指摘する。
「わが子のポテンシャルを知る方法の一つは学校のテストの点数です。どの教科も90点以上であれば塾での勉強にも戸惑いなく入っていけるはずですし、中学受験も乗り越えられる力が高いと言えます」
『中学受験は親が9割 [令和最新版]』(青春出版社)という著書がある西村さんは、塾選びや受験勉強に関しては、その前段階の子育てが重要だと考えている。褒めて伸ばす、という親の態度が子どもの学習意欲を持続させていく。
【画像】西村さんに聞いた「塾通いの際の親の心構え」5つはこちら(全5枚)
「厳しさのある受験勉強は、自己肯定感が強く、好奇心旺盛な子に有利です。小さなうちからささいなことでも褒めて自己肯定感を高めてあげる。まずは前向きな心を育むのが親の務めだと思います」
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