都内で中学受験塾「應修会」を主宰する茂山起龍(きりゅう)さんのAERA with Kids+連載「中学受験、その先に」。中学受験の志望校選びで重要なのが、「学校見学」。都内の数多くの中高一貫校に足を運んできたという茂山さんに、見学の際に尋ねるといい質問や、チェックするポイントについてお聞きしました。

MENU 志望校の見学で、何を確認したらいい? 良い面だけでなく、「課題」にも注目しよう 不登校の生徒には、どんな対応をしているか

志望校の見学で、何を確認したらいい?

――秋になると、入試説明会や文化祭などで志望校に足を運ぶ機会が増えます。より深く学校を知るうえで、大切にしている視点とは何ですか。

 ベテランの先生が多いか否かは、学校を知るうえでの一つの指標になると思います。とくに若いうちは学校を替わる教師もいるなかで、20、30年にわたり一つの学校に留まるということは、その人にとって働きやすく、大きな不満がない環境にいるということ。

 都内のほとんどの学校に実際に足を運んできましたが、年配の先生たちが生き生きと活動されている姿を見ると「安心感があるな」と感じます。とくに伝統の男子校に多い傾向ですね。

 また、勤続年数の長い教師が多い学校ほど、若い教師を積極的に採用し、バランスを取ろうとする姿勢もあるように感じます。ある男子校では、教師の年代別の人数を細かく把握し、「もう少し若返りを図ろう」などと、偏りが生じないよう意識しながら採用活動をおこなっていると聞きました。定年間際の教師と新卒で採用された教師では、教え方も生徒たちへの接し方も異なりますが、それぞれに違う良さがある。親の年代とは異なる大人たちに接することは、思春期の子どもたちにとって大切なことです。

「浪人してからも、先生たちが寄り添ってくれた」といった話を僕の塾の元生徒たちから聞くこともあり、そうした話を聞くと「いい学校なんだな」と素直に思います。

良い面だけでなく、「課題」にも注目しよう

――学校見学の際、先生たちに意識して質問をするといい、と思われることはありますか。

 僕は、可能な限り「いま学校が抱えている課題はなんですか」と聞くようにしています。

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茂山起龍
中学受験塾「應修会」塾長 茂山起龍

しげやま・きりゅう/1986年生まれ。中学受験を経験し、大学附属校に入学。大学在学中から個別指導塾、大手進学塾などで中学受験指導に携わる。会社経営の傍ら、2011年、東京・西葛西に中学受験指導塾「應修会」を開校。自らも教壇に立って指導を行う。中学2年、小学6年の男子の父。X(旧Twitter)での中学受験についての発信も人気で、フォロワーは1万人を超える。X: @kiryushigeyama

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