学校のパンフレットや説明会では良い面ばかりにスポットが当てられますが、それはある意味当然のこと。ネガティブな面について尋ねたときに、しっかりと答えてくれる学校は誠実な学校だな、と感じます。

 たとえば、ある女子校では「在校生に聞いた、学校の良くない点はどこだと思うか」といった質問を学校の資料で公開しています。また、「説明会に参加したが、受験しなかったのはなぜか」「入学を辞退したのはなぜか」といったアンケートをおこなうことで、学校側が気づいていない課題を洗い出そうとしている学校もあるようです。一見、ネガティブな情報を開示する風土のある学校にはいい学校が多いな、と個人的には思います。

 大学の進学実績についても同じことが言えますね。「在学中に常に平均点をキープしていた生徒はどのような大学に進学していますか」という質問に対し、極端に良い例だけを抽出しアピールするのではなく、正確かつ正直に答えてくれるかどうか。たとえば、「浪人すれば上位大学に進める可能性が上がりますね」といったように、本音をポロッと言ってくれる先生がいる学校は、生徒たちに対しても日々誠実に接してくれているのだろうと想像することができます。

不登校の生徒には、どんな対応をしているか

――「不登校の生徒に対し、どのようにケアをしているか」といったような質問にどこまで正直に答えてくれるかにも、誠実さが表れそうですね。

 不登校の生徒がまったくいない中高一貫校は、ほとんど存在しないと思います。実際に、不登校の生徒がどれくらいいるのか、不登校の生徒に対し、どのように対応しているのかを包み隠さず答えてくれる学校は信頼できる学校が多いな、と感じます。不登校の生徒の人数や対応の仕方を学校のホームページなどで公開しているところもあります。

 不登校に限らず言えることですが、私立中学は「入学試験に合格した」という共通点しかない生徒たちで成り立っているわけですから、馴染めない生徒、学校に通えなくなる生徒がいてもおかしくない。そういう状況のなかで、「本校ではこんなふうにケアをしている」と言える学校と、言葉を濁す学校では差があるな、と。

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